造園施工管理技士の受験資格とは?学歴・職歴別の条件と必要書類を分かりやすく解説
造園施工管理技士の資格を取得するには、受験資格を正しく理解することが第一歩です。
令和6年度からの制度改正により、受験資格が大幅に見直され、年齢要件のみで第一次検定を受験できるようになりました。
学歴や職歴によって必要な実務経験の年数は異なりますが、適切に準備すれば誰でもチャレンジ可能な資格です。
この記事では、1級・2級それぞれの受験資格や実務経験として認められる業務内容など、受験に必要な情報を詳しく解説します。
造園施工管理技士の受験をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
目次
造園施工管理技士とは?資格の種類と役割
造園施工管理技士は、造園工事の現場で施工管理を行う国家資格です。
公園整備や庭園造成や街路樹の植栽から屋上緑化など、緑化に関わる工事全般の施工計画から完成までを統括します。
建設業法に基づき、工程管理・品質管理・安全管理・原価管理を担当し、現場の責任者として工事を円滑に進めるのが役割です。
資格は1級と2級に分かれており、担当できる工事の規模が異なります。1級は大規模な公共工事で監理技術者、2級は中小規模の工事で主任技術者に従事できます。
資格取得により、資格手当による収入アップや昇進、正社員登用のチャンスなどが見込めるでしょう。
1級造園施工管理技士の受験資格
1級の受験資格は、第一次検定と第二次検定で要件が大きく異なります。
一次は年齢要件のみで受験可能ですが、二次は新制度や経過措置を含めた3つのルートが存在します。以下からそれぞれ詳細を解説します。
【第一次検定の受験資格】19歳以上なら誰でも受験可能
令和6年度から適用された新制度によって、学歴や実務経験に関係なく受験年度の末日時点で満19歳以上であれば誰でも受験可能です。
最大のメリットは、第一次検定に合格すれば「1級造園施工管理技士補」の資格が得られる点です。実務経験が足りない段階でも、監理技術者補佐として現場配置が可能になり、若手のキャリアアップに直結します。また、万が一二次検定に受からなかった場合でも一次検定は免除されるというメリットもあります。
【第二次検定の受験資格】3つのルートから選択
第二次検定(実地試験)を受けるためには、以下の3つのルートから自身の経歴に合うものを選択します 。
- 1級技士補ルート:第一次検定合格後、所定の実務経験を積んで受験
- 2級合格者ルート:2級造園施工管理技士合格後、所定の実務経験を積んで受験
- 旧受検資格ルート:令和10年度までの経過措置として、従来の要件(学歴+実務経験)で受験
まず、2級未取得で経験が浅い若手の方は、一次検定合格後に技士補として経験を積む1番目の「1級技士補ルート」が最短です。次に、既に2級をお持ちの方は、取得後の実績を活かせる「2級合格者ルート」が良いでしょう。
最後に、実務経験が豊富なベテランの方は、過去の全経験をカウントでき、新制度の要件を待たずに即受験可能な「旧受検資格(経過措置)」が推奨されます。
旧受検資格(経過措置)における必要実務経験年数
すでに実務経験を積んでいる方は、経過措置(旧受検資格)を利用する方が早く受験できる場合があります 。学歴および指定学科の有無による必要年数は以下の通りです 。
| 学歴 | 指定学科 | 指定学科以外 |
| 大学 | 3年以上 | 4年6ヶ月以上 |
| 短大・高専 | 5年以上 | 7年6ヶ月以上 |
| 高校 | 10年以上 | 11年6ヶ月以上 |
なお、指導監督的実務経験が1年以上含まれる場合などは年数が短縮されることがあります。
2級造園施工管理技士の受験資格
2級も令和6年度の制度改正により、高校生から受験でき、より多くの方が挑戦しやすくなりました。年齢制限のみの「第一次検定」と、実務経験が問われる「第二次検定」の要件を整理して解説します。
【第一次検定の受験資格】17歳以上なら誰でも受験可能
令和6年度より、受験年度の末日時点で満17歳以上であれば、実務経験なしで誰でも受験可能です。
建設・造園系の高校に通う学生や、未経験からの転職希望者もすぐに挑戦できるのが大きなメリットです。まずは第一次検定(学科)の合格を目指しましょう。
【第二次検定の受験資格】実務経験ごとの必要年数
新制度における第二次検定は、基本的に「第一次検定合格+実務経験3年(17歳以降)」などが要件となります。
ただし、すでに実務経験を積んでいる方は、以下の「旧受検資格」を利用したほうが早く受験できるケースが多いため、ご自身の経歴と照らし合わせて確認してください。
【一覧表】旧受検資格(経過措置)における必要実務経験年数
令和10年度までは、従来の「学歴+実務経験」での受験が可能です。学歴ごとの必要年数は以下の通りです。
| 学歴 | 指定学科 | 指定学科外 |
| 大学 | 1年以上 | 1年6ヶ月以上 |
| 短大・高専 | 2年以上 | 3年以上 |
| 高校 | 3年以上 | 4年6ヶ月以上 |
| その他 | 8年以上 | 8年以上 |
補足として、高卒以上で指定学科を卒業していれば、実務経験3年で受験可能です。
自分の学部は対象?「指定学科」の具体例リスト
「指定学科」を卒業していると、受験に必要な実務経験年数が大幅に短縮されます。土木・建築だけでなく、農学や園芸なども対象になるため、具体的な学科名を確認しましょう。
造園施工管理技士における「指定学科」とは
国土交通省令で定められた特定の学科を指します。これらを卒業している場合、造園施工管理技士の受験において、実務経験年数の短縮措置を受けられます。 自分が卒業した学科が該当するか不安な場合は、卒業証明書などで正確な学科名を確認することが重要です。
主な指定学科一覧(土木・建築・農業・林学など)
代表的な指定学科は以下の通りです。特に園芸学が含まれる点が見落とされがちなので注意してください。
- 土木系:土木工学、都市工学、衛生工学、交通工学
- 建築系:建築学
- 農業・林学系:農業土木、林学、林産学
- 造園系:造園学、園芸学
※大学ごとに学科名称が異なる場合があるため、詳細は必ず試験実施機関の最新情報を確認してください。
造園施工管理技士の実務経験とは?|認められる職種や業務内容を解説
造園施工管理技士の受験で重要なのが「実務経験」の理解です。
実務経験として認められるのは、造園工事の施工に直接関係した業務であり、雇用形態よりも仕事内容が重視されます。
正社員だけでなくアルバイトなどでの経験も、業務内容が適切であれば認められます。実務経験として認められるおもな業務は、以下のとおりです。
- 植栽工
- 移植工
- 樹木整姿工
- 地被工
- 花壇工
- 水景工
- 景石工
- 工程管理
- 品質管理
- 安全管理
一方、土木一式工事や建築一式工事の中で造園工事に関係しない部分、単純な草刈りや清掃作業などは対象外です。
造園施工管理技士における新旧制度の違いと経過措置|令和6年度以降の注意点
造園施工管理技士の受験資格は令和6年度から大きく変更されましたが、令和10年度までは経過措置期間として、新旧いずれかの受験資格を選択できます。
自身の状況に応じて有利な制度を選ぶことが可能です。制度の違いを理解しておきましょう。
- 年齢制限だけで受験できる
- 令和10年度までは旧制度でも受験できる
それぞれのポイントについて見ていきます。
年齢制限だけで受験できる
新制度の最大の特徴は、第一次検定が年齢要件のみで受験できる点です。
1級は満19歳以上、2級は満17歳以上 であれば、学歴や実務経験に関係なく誰でも挑戦できます。
年齢要件のみで受験できる新制度は、建設業界全体の担い手確保と育成を目的として導入され、より多くの方が造園施工管理技士を目指せる環境が整いました。この変更によって造園業界への就職を考えている学生や、異業種から転職を検討している方でも、早い段階で資格取得へのチャレンジが可能です。第一次検定に合格すれば「技士補」の称号が得られるため、就職活動や社内評価で大きなアドバンテージとなります。
令和10年度までは旧制度でも受験できる
令和6年度から新受験資格が適用されていますが、令和10年度までは経過措置として旧受験 資格でも受験できます。すでに学歴や実務経験の要件を満たしている方は、どちらか有利な制度を選択可能です。すでに長年の実務経験を持つ技術者は、旧制度のほうが早く資格取得できるかもしれません。
令和10年度までに受検票の交付を受けた方は、令和11年度以降も引き続き受験できるため、十分な準備期間が確保できます。
造園施工管理技士の受験資格は学歴や職歴で変わる
造園施工管理技士の受験資格は、学歴や職歴によって必要な実務経験年数が異なります。
自身の経歴を正確に把握し、最適な受験計画を立てることが合格への近道です。代表的なパターンを確認しておきましょう。

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- 代表的な受験パターン
- 新制度なら年齢要件のみで受験可(一次検定)
それぞれのパターンについて解説します。
代表的な受験パターン
造園施工管理技士を目指す際の代表的な受験パターンを紹介します。
| 区分 | 2級第二次検定の受験資格 | 1級第二次検定の受験資格(旧制度) |
| 大学・高度専門士の指定学科卒業 | 卒業後1年以上の実務経験 | 卒業後3年以上の実務経験 |
| 短大・高専・専門士の指定学科卒業 | 卒業後2年以上の実務経験 | 卒業後5年以上の実務経験 |
| 指定学科以外・学歴問わず | 実務経験8年以上 | 実務経験15年以上 |
| 2級造園施工管理技士合格者 | -(一次検定合格) | 2級合格後3年以上(新制度)/5年以上(旧制度) |
| 技能検定(造園)合格者 | 実務経験4年以上 | 実務経験10年以上 |
一発合格を視野に入れているのであれば、第一次・第二次の同時受験がおすすめです。
新制度なら年齢要件のみで受験可(一次検定)
新制度では、学歴や職歴に関係なく、年齢要件のみで第一次検定を受験できます。2級は満17歳以上、1級は満19歳以上であれば、実務経験がなくても挑戦可能です。この制度を活用すれば、まず第一次検定に合格して「技士補」の資格を取得し、そのあと実務経験を積みながら第二次検定を目指すという段階的なアプローチが取れます。
造園業界に就職したばかりの方や異業種から転職してきた方は、早めの第一次検定に合格を目指しましょう。社内での評価や資格手当の対象となりやすいです。学生のうちに第一次検定に合格しておけば、卒業後すぐに実務経験へ挑めます。
必要な年数を満たした時点で、第二次検定にチャレンジも可能です。
造園施工管理技士の受験申込み時に必要な書類と注意点
造園施工管理技士の受験申込みには、複数の書類を正確に準備する必要があります。書類の不備は受験資格の不承認につながるため、事前に確認しましょう。申込み前のチェックが重要です。
- 必要書類一覧
- よくある不備と対処法
それぞれについて詳しく解説します。
必要書類一覧
造園施工管理技術検定の申込み時に必要な書類は、以下のとおりです。
- 受験申請書類
- 実務経験証明書(第二次検定受験者のみ)
- 受験申込み書
- 振替払込受付証明書など添付用紙
- 住民票(住民票コードの提出は不可)
- 証明用写真(パスポート用サイズ、申請前6ヶ月以内に撮影したもの)
- 学校卒業証明書
- 受験資格に応じて必要な資格証明書
実務経験証明書は現在の勤務先企業が証明するものであり、過去に複数の会社で働いた経験がある場合でも、現在の所属企業がまとめて証明します。
申込み用紙は書面での申込みが必要です。
新受験資格と旧受験資格では必要な書類が異なる場合もあるため、受験の手引で最新情報を確認してください。
よくある不備と対処法
受験申込み時によくある不備は、以下のとおりです。
| 不備の項目 | 内容 |
| 実務経験証明書:記載内容の誤り・不足 | 工事名や工事内容が具体的に記載されていない |
| 実務経験証明: 押印漏れ | 証明者の押印がない |
| 実務経験証明書:期間計算ミス | 実務経験期間の計算が間違っている |
| 写真サイズ不適合・撮影時期不備 | サイズ不一致、申請前6ヶ月以内でない写真 |
| 住民票関連の不備 | 住民票の代わりに住民票コードを提出。マイナンバー付住民票を提出 |
| 卒業証明書の未提出 | 卒業証明書や原本の不足、提出漏れ |
実務経験として認められない業務を記載してしまうケースもあるため、事前に認められる業務内容を確認しましょう。
不備が発見された場合には受験資格が認められず、申込みが却下される可能性もあります。不明な点は、全国建設研修センターに問い合わせることが重要です。
造園施工管理技士を取得するメリット
次に、造園施工管理技士と技士補の資格を取得することのメリットを解説します。
年収アップと資格手当の支給
最も直接的なメリットは収入の増加です。多くの造園・建設会社では、この資格に対して月々の「資格手当」を設けています。1級・2級の区分や企業規模にもよりますが、毎月数千円から数万円が給与に上乗せされるケースが一般的です。
また、昇給や賞与の査定においても、国家資格保有者は「スキルのある人材」として高く評価されるため、無資格者と比較して生涯年収に数百万円単位の差がつくことも珍しくありません。
責任あるポスト(現場代理人等)への昇進
資格を取得すると「主任技術者」や「監理技術者」として現場に配置されることが可能になります。これにより、現場の補助的な作業員から、工事全体を指揮・監督する現場代理人などのリーダー職へステップアップできます。
公共工事などの大規模プロジェクトを任されるようになり、仕事のスケールが大きくなることで、自身のキャリアにおける実績ややりがいが大きく向上します。
転職市場での圧倒的な有利さ
造園業界は慢性的な人手不足であり、国家資格を持つ人材はどの企業からも喉から手が出るほど欲しい存在です。
資格は「実務経験と知識の証明」になるため、より条件の良い会社への転職や、待遇改善の交渉が非常にスムーズになります。
また、全国どこでも通用する資格であるため、結婚や家庭の事情で引越しをした際や、Uターン・Iターン就職をする際にも、再就職先に困ることはほとんどありません。
将来的な独立・開業へのパスポート
将来、自身の造園会社を立ち上げたり、フリーランスとして独立したりする際、この資格は必須級の武器になります。
建設業の許可を取得して500万円以上の請負工事を行うには、営業所に「専任技術者」を置く必要があります。自身が有資格者であれば、外部から人を雇うことなくスムーズに事業を始められるため、将来の選択肢として「独立」を現実的に視野に入れることが可能になります。
造園施工管理技士についてよくある質問
造園施工管理技士の受験資格や申込みに関して、多くの方が疑問を持つポイントをまとめました。以下の質問と回答を参考にしてください。
- アルバイトや派遣での造園経験も「実務経験」として認められる?
- 職務経歴証明書は誰に書いてもらえばよいの?退職した会社でも大丈夫?
- 一次検定に合格したら、二次検定は何年以内に受けなければいけない?
受験を検討している方は、事前に確認しておくとスムーズに準備を進められます。
アルバイトや派遣での造園経験も「実務経験」として認められる?
正社員や契約社員などいずれの形態でも、造園施工管理に関する業務を行っていれば実務経験として認められます。重要な点は、造園工事に直接関わる業務、または施工管理業務を担当していたかどうかです。単純な草刈りや清掃作業のみでは、実務経験として認められません。
アルバイトや派遣での経験を申請する場合、勤務先企業による実務経験証明書の発行が必要です。
職務経歴証明書は誰に書いてもらえばよいの?退職した会社でも大丈夫?
職務経歴証明書(実務経験証明書)は、現在の勤務先企業に作成してもらう必要があります。
ただし、証明者となる現在の勤務先は、受験者の過去の経歴や実務経験の裏付けが可能な根拠資料を保有していなければなりません。
もし現在の会社が過去の実務経験を証明する資料を持っていない場合は、過去の勤務先から資料を借りる必要が生じることもあります。
現在失業中の場合は、直近の勤務先に証明を依頼しましょう。実務経験証明書の不正は、厳しく取り締まられています。
一次検定に合格したら、二次検定は何年以内に受けなければいけない?
令和3年度の制度改正により、第一次検定の合格は無期限で有効となりました。何度でも第二次検定から受験することが可能です。
従来は、学科試験に合格しても実地試験で2回不合格になると学科からの再受験が必要でしたが、新制度ではそのような制限がなくなりました。第一次検定に合格したあと、実務経験を積みながらじっくりと第二次検定の準備ができるため、仕事と勉強を両立しやすくなっています。
ただし、第二次検定を受験するには、新制度では第一次検定合格後の実務経験年数が必要です。
第一次検定に合格したら、そのあとの実務経験を適切に記録することが重要です。
まとめ|今の自分に合ったステップで造園施工管理技士の取得を目指そう
造園施工管理技士の受験資格は、令和6年度からの制度改正により大幅に緩和され、年齢要件のみで第一次検定を受験できるようになりました。
2級は満17歳以上、1級は満19歳以上であれば、学歴や実務経験に関係なく誰でも挑戦できます。
造園施工管理技士は造園業界でのキャリアアップに直結する重要な資格です。今の自分に合ったステップで学習を進め、資格取得を目指しましょう。
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